フットケア・高気圧酸素療法
フットケア外来
巻き爪・爪の変形・爪のトラブル、足の魚の目・たこ、ご自分で爪が切れない方、糖尿病足病変などのお悩みを葛飾区では数少ないフットケア外来で治療いたします。爪白癬(みずむし)もフットケア後、治療薬処方いたします。
当院ではドイツ式フットケア「フスフルーゲ」にて資格取得した専門の正看護師が担当いたします。一般外来では専用個室にて、血液透析をされている方は透析室内など、ご要望に合わせて対応させていただきます。
■処置内容
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角質除去(マシン、やすりなど使用)
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爪切り
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白癬爪の処置(医師の診断により、抗真菌薬治療も行います)
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肥厚爪
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陥入爪
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巻き爪矯正(マチワイヤー、矯正プレート使用)
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たこ、魚の目の除去
糖尿病や血液透析の方の重要な合併症なかに、足病変・爪病変があります。糖尿病・腎臓病・血液透析の方は感染にぜい弱なため、少しの傷やみずむしなどから感染症がおさまりにくいことがあります。透析の方は血管病変もあることが多く、重症では足切断にいたる場合もあります。くつや靴下で隠れている足ですが、普段からふっとしたときにケア(これでフットケア)することで足病変から守りましょう。ご自身でおこなえるフットケアについてご存じでしょうか。当院のフットケア外来では処置・投薬に加えて、セルフフットケアについての知識など、そのひとそれぞれの血糖・腎臓・体調と足に合った方法をお知らせしています。
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フットケアの重要性
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フットケア手技
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フットケア外来
1.フットケアの重要性
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糖尿病の血糖値が高い高血糖状態は、細菌にとって栄養があり繁殖しやすい状態です。加えて長期間の高血糖は糖尿病性神経障害、動脈硬化症をまねきます。透析の方は動脈硬化により血液の流れが悪くなり、冷たくなったり傷が治りにくくなります。
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高血糖自体が白血球の最近に対抗する力を下げ抵抗力が減り、細菌感染から体を守りにくくなります。
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糖尿病網膜症や透析の方の高血圧眼症、加齢に伴う白内障などで視力低下から、足の状態変化を発見しづらくなり、糖尿病性神経障害や透析の動脈硬化により足の感覚障害があると、足の病変があっても痛みを感じないまま時間が過ぎていくこともあります。放置すると糖尿病足病変(足の潰瘍や壊疽)、重症虚血肢(透析の方などに起こる動脈硬化に伴う足の血流障害)から、場合によってはさらに重篤な敗血症をきたす場合もあります。
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第2の心臓ともいわれる足がずっと活躍できるよう、血糖値を良くすること、ご自身でもフットケアを心がけることが必要です。
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くつや靴下でおおわれている足ですが、毎日足をよく見てさわること、ふっとしたときのフットケアを行うこと足病変を予防しましょう。透析の方は透析治療で週3回来院されるため、心配なことがあればぜひお申し出ください。早期発見が重要です。
2.フットケア手技
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見て、さわる。
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どんな病気でも言えることですが、「早期発見早期治療」が一番大切でしょう。毎日足の隅々まで見て触って調べて下さい。
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もし見づらい部位があったら、鏡を使ったり、ご家族等に手伝って調べて下さい。
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長時間歩いた後や運動後は、むれていたり傷があるかもしれません。ぜひ調べて下さい。
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感染を防ぐため、石けんで泡立て、柔らかいタオルかスポンジで優しく洗い、清潔にして下さい。
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足の指の間には、みずむしができやすいです。石けんのあと水気を十分とって下さい。押さえるように拭くのがコツです。
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透析の方は水分制限のため皮膚乾燥が多いです。そのさいは保湿クリームで皮膚をしっとりさせて下さい。足指の間に保湿剤を塗るとじめじめしてみずむしを生じやすくなります。ご注意ください。
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爪を切る際は、少し残っているくらいが良いといわれています。深爪は感染のもとになりやすいのでご注意下さい。
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爪の角は、スクエアカットかスクエアオフがフットケア的に、とくに巻き爪には良いとされています。
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靴は自分の足に合っているものを選んで下さい。つま先に1センチ余裕があり、足の形に合った靴が良いとされています。
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革や内貼りが柔らかく、靴の内部に硬い縫い目のない靴を選びましょう。
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クッション性がよく、靴底が安定している靴を選びましょう。
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運動や散歩をする時は足首が固定されるよう、紐やマジックテープが付いた運動靴が良いといわれています。
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糖尿病性神経障害や透析の方は、靴の中に石や異物がないか、よく調べてから履いて下さい。傷の予防のためです。
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靴下を履くと、みずむし予防や足保護になります。
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吸湿性の良い綿素材、内側の縫い目がやわらか、きつすぎない靴下、を履いて下さい。
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みずむし予防には、5本指靴下も良いといわれています。
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糖尿病や透析の方は血流障害・神経障害のため、低温やけどにぜい弱です。湯たんぽ・電気あんかの低温やけどに注意下さい。
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使用のさいは、タイマーでスイッチが切れるもの、温度は最も低く設定、タオルでくるんで、やけど予防をお願いします。
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糖尿病や透析の方が魚の目・たこを自分で削る・市販薬を使うことは危険な場合があります。フットケア外来でご相談下さい。
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傷ができてしまったら、流水と泡立てた石けんで洗い、清潔なガーゼやテープで保護しフットケア外来でご相談下さい。
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糖尿病や透析の方の足の傷が赤く熱を持って痛むさいは、すぐに医療機関を受診するようお願い申し上げます。
3.フットケア外来
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糖尿病や透析の方に限らず足潰瘍・足壊疽など糖尿病足病変や重症虚血肢の予防のため、フットケア外来を開設しております。
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皆さんの大切な足の障害を予防し、生涯ご自身の足を守っていけるよう、看護師がそれぞれの患者さんに適した日々のお手入れ方法を一緒に考え、ご自身でふっとしたときのフットケアできるようにお手伝いさせていただく外来です。
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当院の診察時間にお電話で予約いただけますようお願い申し上げます。緊急の際は、できる限り対応させていただきます。
参考文献
日本フットケア・足病医学会、国立国際医療研究センター病院 糖尿病フットケア外来著 糖尿病フットケア外来ノート2014
高気圧酸素治療
大気圧より高い気圧環境の中で、酸素を吸入することにより病態の改善を図ろうとする治療で様々な疾患に適応されています。当院は日本高気圧環境・潜水医学会の認定施設で、専門医・専門技師が従事しています。
高い気圧環境の中で酸素を吸入すると、通常の大気圧下での呼吸で得られる酸素量に対して、10~20倍にまで酸素を体内に取り込む事ができます。体内で取り込まれた大量の酸素は、手足の先端まで行き渡りあらゆる低酸素状態の改善を図ります。血管新生や組織修復などに働きかけることから、創傷治癒に対しても促進効果を発揮します。また、一酸化炭素中毒を代表とした体内に蓄積された有毒ガスの洗い出しに対して促進的に働きます。
当院は、一人用高気圧酸素装置(ワンチャンバー)一基を稼働しています。100%酸素を使用し2-2.8気圧まで装置内を加圧します。治療中はマイクを通じて常に会話ができ、細やかなワンツーマン対応をいたしますので安心して治療が受けられます。
治療は通常1日1回です。治療効果については、個人差はありますが、治療を反復することで効果は維持されます。治療回数は、適応疾患や患者様の症状によって異なりますので、担当医へご確認ください。
■安全な高気圧酸素治療に向けて次のような方は治療ができない可能性がありますので、担当医、技師にご相談下さい。
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閉所恐怖症など、狭いところが苦手な方
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血圧が高くて気分が悪いとき
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風邪を引いて耳抜きができないとき
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耳や鼻に病気があるとき(中耳炎や蓄膿症、副鼻腔炎など)
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おなかの具合が悪いとき(下痢など)
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ペースメーカーを使用されているとき
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妊娠中の方
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ぜんそく発作中の方
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肺疾患のある方
安全な治療のために、コンタクト、整髪料・化粧品や油脂製品等は使用できません。
保険適応疾患として、放射線治療による障害、空気塞栓症、減圧症、突発性難聴、腸閉塞、脊髄神経疾患(脊柱管狭窄症)、一酸化炭素中毒、腸管気腫症などがあり、治療を開始する前に診察と同意が必要です。
電話 03-3601-7181 までご連絡お願いいたします。